入社して三カ月が経過した。
今のところは仕事はとても楽しい。新しい分野への挑戦なので知らないことばかりで、仕事自体は調子いいとはいえないけれど、自分自身の気分は良い。仕事と子育てに奮闘し、時間をみつけて趣味(ゲーム)にも励む。院生の頃から描いていた理想の研究者/社会人生活だ。
自分の所属するグループ(部署)ではかなり自由にやらせてもらえる。今、唯一の上司への報告といえば週報を書くことぐらい。それすら絶対強制ではない。形式にそこまでこだわらず、業務に必要な報告は個人が責任を持ってやるという、いたって当然の環境。大企業だとその普通の環境を作り出すことが難しくなったりするみたいだが、さすがは研究所といったところか、とても自由だ。事業部とかがどんな雰囲気かは知らないけどね。
うちの会社は「中小企業に毛が生えた程度」とか揶揄されることもあるみたいだから(転職サイトのレビューとかで見かけた)、大手企業といっても、バカでかい日立製作所とかとはちょっと違うのかな、なんて考えたりもするが、他社のことはよくわからん。
唯一の不平は給料がたいしてよくないことか。それでもうちの会社は悪くないほうらしいけど。まあ日本のサラリーマンだから特別給料はよくないことは理解した上で日本での就職を選んだからそんな文句はないけどね。食っていくには十分だし、きちんと働いて、会社潰れなければ、いずれはお金は貯まるだろうし。
とりあえず日本でのスタートは上手く切れたようだ。核物理に近いことを今はやっているから、どうせだったら生物物理じゃなくて核物理を研究するんだったなぁ、とかたまに思うが、超すごい発明に憧れながら今日も俺は眠りにつく(現実は、実験に必要な機器すらまともに使えない状態だけど・・・)。