わけあって10月入社でなく1月入社になった。
ということでアメリカでの生活は11月半ばで切り上げて、日本に引っ越してきた。今は両親の実家で世話になりつつ、携帯電話の契約、日本のクレジットカード、アパート探しなどに勤しんでいる。アメリカではGo Phoneという安いプリペイド契約をしていたので、世の中の携帯電話事情に疎くなってしまい、日本でいざスマホだパケットだと調べ始めたが、日本の携帯環境を理解するのにけっこうな時間を要した。当面は安給料で貧乏生活をしたいので、普通のスマホ契約は高すぎる(7000円/月くらい)と感じた。今ちょっと安い方法を模索中。
たまにふとしたときに「うわ、俺日本で生活するんだ」とちょっとした恐怖の念にかられる。今は日本に留学してきた気分で、あえてカルチャーショックを楽しむように心がけている。アメリカとの違いを、不満の対象にするのでなく、こういうやり方もあるのかな、と新しいことを学ぶつもりで生活することが、日本での生活を楽しむ秘訣となるかも。とりあえず来年一年頑張って仕事して、家族の世話をして、めいっぱい人生を楽しめれば合格である。日本の社会の波に飲み込まれるのでなく、荒波に乗って生き残って一皮むけたいところだ。さてどうなることか。
今はただただ1月入社のオプションを掲示してくれた会社に感謝するばかりである。3ヶ月ほど予定より遅れての入社なので、しっかりと良い仕事をして、借りを返したい。日本をより良い国にする、という俺の野心をどこまで貫き通せるか、楽しみであり、不安でもある。とりあえず年内は準備と休憩だ。
高校卒業してからずっとアメリカで物理を勉強してきた。今はPh.D.7年目。来年はさすがに卒業すると思われる。ついに就職を考える時がきた。どんな仕事をしたいか、日本に帰るかアメリカに残るか、真剣に悩んでいる。いつか自分と似た境遇に立たされた人の役に立てばと思い、自分の頭の中でグルグル回っているアイディア、それから就職活動に関して書いてみることにした。
Wednesday, November 26, 2014
Saturday, May 10, 2014
住友重機械工業
長いことブログのアップをしていなかったわけだが、別に急がし過ぎたわけではない。ただ忘れていただけだ。最後のエントリーは住友重機械工業の面談の話だったようだ。最終的に俺の就職活動がどうなったのかをまずは報告しようと思う。
結果から言うと俺は住友重機械で日本での第一歩を始めることにした。最終的にデンソー、安川電機、そして住友重機械からオファーがきた。デンソーは基礎研究所で、安川は北九州にある小倉の研究所、住友は横須賀にある技術研究所と、どれもR&D職でのオファーだったので申し分なかった。この3社はとても親切にしてくれ、冬休みをとって日本に一時帰国した際に(去年の12月)研究所の見学の機会を与えてくれた。
デンソーは、まず本社のカフェテリアでの昼飯で始まり(もちろん名古屋だから味噌カツを食った)展示をみながら偉い人がいろいろ説明してくれて(最終での面接官だった)、基礎研究所に移動した後は、たかが俺一人に対して部長級の方が二人も時間をとってくれ、さらに若い人を5人も呼んで案内してくれ、最後にはめちゃめちゃうまい日本食屋で晩飯をとり、名古屋で一泊と素敵な接待。もちろん採用担当の人は昼からずっと俺につきっきり。とても貴重な経験をさせてもらったし、デンソーは噂どおり半端ない力をもっていると実感した。ちなみに晩飯の時、向こうの人たちはてっきり真面目な研究の話にでもなると思っていたらしいが、俺は基本的にそういう場では世間話が好きだから、全然その辺の話は振らなかった。まあ実はけっこう面白い研究をしている若手の人が横に座っていたので、彼の研究の話だけでもそうとういけたとは思うけれど。別れ際に、もっといろいろ難しい質問されると思って心の準備をしていた、と言われたのでちょっと申し訳なく思ったが、まあ入社したらいろいろ話は聞けるだろうと思っていたので、そのくらいでちょうどいいかな。
住友さんは俺の直接の上司になるであろう方が二日かけて、愛媛の事業所や横須賀の研究所の案内をしてくれた。ついでに二日目には最終(3次)面接もやったのだが、まあ、顔合わせに近いものだったかもしれない。国内の学生が受験する場合は俺が二次面接で会った人事本部長の人が最終面接官らしく(そりゃそうだ)、ある意味、二次を通過した時点で合格みたいなものだったらしい。必ずそうであるかはわからないが、少なくとも俺の場合は。愛媛では自分の先輩になるであろう人も合流してくれて(たまたま愛媛で実験をしていたらしい)他に二人の素敵で仕事ができそうな女性も加わって5人でわいわいと日本料理屋で酒を飲みながら食事をしたのだが、これがまた楽しかった。一人の方はそこの事業部の人事の人だったから、彼女はいろいろ事業部の質問をされるとか思っていたらしいのだが、デンソーの時と同様に、俺は難しい話は無しの方向で勝手にくっちゃべった。久しぶりに日本語で全力で会話ができて本来のくっちゃべる能力を発揮できた気がする。まあ留学生というのは珍しい生き物らしいから、みんな俺の人生になかなか興味を示してくれていたからまあ楽しんでもらえたと思う。
安川さんの見学は正直なところ、まあまあだった。わざわざ羽田で一泊して朝6時の飛行機で北九州まで行ったのに、見学は11時に始まり2時には終わってしまった。1時間くらい、展示の見学をしたのだが、案内してくれたのは、普段案内役をしているおばちゃん。だからもちろんロボットすごいでしょ~かっこいいでしょ~のレベルの会話だけで、それ以上の突っ込んだ話はあまりできず。一応、側に研究所の人が一緒にいてくれたのだが、おばちゃんの存在がちょっと邪魔になり、難しい話は禁止な雰囲気を醸し出す。それが終わって、次は昼飯(そこそこの弁当。弁当は住友さんのほうが遥にうまかった)をしながら、去年9月入社したボストン組(つまり俺みたいな留学経験のある学生)の人が一人と、その人の上司が一人、それから人事の人が二人で、まあ俺が質問してむこうが答えるといった感じ。といってもさあ弁当を食うか~という雰囲気から、急に4人の人間と向かい合って、さあどんどん我々に質問してよ!みたいなことを言われても、いきなりまともな質問が頭に浮かぶわけでもないんだよな~。確かに見学をしたいと言ったのは俺だから、むこうからしたら余程いろいろ話を聞きたいのだと捉えられたのかもしれないけど。どっちかというと、研究所を見せながら、うちはこういうことをしてるんだ~とか、こういう雰囲気で働くのはどうよ?とか聞かれながら、少しずつ、こういう状況ではどういう問題が出ますか?とか、そういや特許に関してはどういう決まりがあるんですか?とか、いろいろ質問が出てくるものなんだよね。少しも生きた研究開発の空気に触れられなかったから、俺は意気消沈して、新幹線で東京に帰った。
ちなみに、もちろんどこの企業も研究開発に関しては、見せれるものと見せられないものがあることは分かっている。しかし、素人の俺が見ても何がなんだかわからないわけだが。デンソーだってウェブサイトで見せてる内容の研究しか見せてくれなかったしね。たとえば自動運転の研究開発なんて全く触れることもなかった。まあこちらから聞けば、少しは教えてくれたかもしれないけどね。どうせ俺は専門外だから、ふ~ん、で終わるだろうけど。
ちなみに東レは2時面接で落ちた。面接官の人と馬が合わなかったというか。まあ俺の研究内容もたいしたことないからね。けっこう専門がかぶるから、しょぼさがばれたのかもしれん。東レリサーチセンター(TRC)のほうで志望を押していれば、もしかしたら最終面接までいけたかもしれんけど。いや、まじで、分析力にはかなり自信あるんだが、化学の新素材の研究を俺がやりたいと言っても、むこうはピンとこないだろうね。仕方ない。TRCの社長さんと部長さんは、ほうほう、と興味を持って俺の話を聞いてくれていた気がする。ただ二次面接ごときで社長が出てくるところが、俺は少し気になったわけだが。やっぱり子会社だからなのか。
住友とデンソーで十分面白そうだと感じたから、日立製作所の2次面接は断った。でかい強い会社で働くならデンソーで十分だし、少し小さめで、でも楽しくやるなら住友重機械でじゅうぶんだと思ったからだ。もし日立に採用されたら、心はかなり揺れ動いただろうけれど、それは単純に日立という世界トップの会社のネームバリューに惹かれてのことだと思う。俺、そもそも電機系はそこまで興味なかったし。まあ車に興味があったわけでもないのだが。ということで住友さんに入社することに決めた。ちなみに10月から働き始める予定である。今は9月までに卒業できるように、必死に博士を終えようとしている最中である。
結果から言うと俺は住友重機械で日本での第一歩を始めることにした。最終的にデンソー、安川電機、そして住友重機械からオファーがきた。デンソーは基礎研究所で、安川は北九州にある小倉の研究所、住友は横須賀にある技術研究所と、どれもR&D職でのオファーだったので申し分なかった。この3社はとても親切にしてくれ、冬休みをとって日本に一時帰国した際に(去年の12月)研究所の見学の機会を与えてくれた。
デンソーは、まず本社のカフェテリアでの昼飯で始まり(もちろん名古屋だから味噌カツを食った)展示をみながら偉い人がいろいろ説明してくれて(最終での面接官だった)、基礎研究所に移動した後は、たかが俺一人に対して部長級の方が二人も時間をとってくれ、さらに若い人を5人も呼んで案内してくれ、最後にはめちゃめちゃうまい日本食屋で晩飯をとり、名古屋で一泊と素敵な接待。もちろん採用担当の人は昼からずっと俺につきっきり。とても貴重な経験をさせてもらったし、デンソーは噂どおり半端ない力をもっていると実感した。ちなみに晩飯の時、向こうの人たちはてっきり真面目な研究の話にでもなると思っていたらしいが、俺は基本的にそういう場では世間話が好きだから、全然その辺の話は振らなかった。まあ実はけっこう面白い研究をしている若手の人が横に座っていたので、彼の研究の話だけでもそうとういけたとは思うけれど。別れ際に、もっといろいろ難しい質問されると思って心の準備をしていた、と言われたのでちょっと申し訳なく思ったが、まあ入社したらいろいろ話は聞けるだろうと思っていたので、そのくらいでちょうどいいかな。
住友さんは俺の直接の上司になるであろう方が二日かけて、愛媛の事業所や横須賀の研究所の案内をしてくれた。ついでに二日目には最終(3次)面接もやったのだが、まあ、顔合わせに近いものだったかもしれない。国内の学生が受験する場合は俺が二次面接で会った人事本部長の人が最終面接官らしく(そりゃそうだ)、ある意味、二次を通過した時点で合格みたいなものだったらしい。必ずそうであるかはわからないが、少なくとも俺の場合は。愛媛では自分の先輩になるであろう人も合流してくれて(たまたま愛媛で実験をしていたらしい)他に二人の素敵で仕事ができそうな女性も加わって5人でわいわいと日本料理屋で酒を飲みながら食事をしたのだが、これがまた楽しかった。一人の方はそこの事業部の人事の人だったから、彼女はいろいろ事業部の質問をされるとか思っていたらしいのだが、デンソーの時と同様に、俺は難しい話は無しの方向で勝手にくっちゃべった。久しぶりに日本語で全力で会話ができて本来のくっちゃべる能力を発揮できた気がする。まあ留学生というのは珍しい生き物らしいから、みんな俺の人生になかなか興味を示してくれていたからまあ楽しんでもらえたと思う。
安川さんの見学は正直なところ、まあまあだった。わざわざ羽田で一泊して朝6時の飛行機で北九州まで行ったのに、見学は11時に始まり2時には終わってしまった。1時間くらい、展示の見学をしたのだが、案内してくれたのは、普段案内役をしているおばちゃん。だからもちろんロボットすごいでしょ~かっこいいでしょ~のレベルの会話だけで、それ以上の突っ込んだ話はあまりできず。一応、側に研究所の人が一緒にいてくれたのだが、おばちゃんの存在がちょっと邪魔になり、難しい話は禁止な雰囲気を醸し出す。それが終わって、次は昼飯(そこそこの弁当。弁当は住友さんのほうが遥にうまかった)をしながら、去年9月入社したボストン組(つまり俺みたいな留学経験のある学生)の人が一人と、その人の上司が一人、それから人事の人が二人で、まあ俺が質問してむこうが答えるといった感じ。といってもさあ弁当を食うか~という雰囲気から、急に4人の人間と向かい合って、さあどんどん我々に質問してよ!みたいなことを言われても、いきなりまともな質問が頭に浮かぶわけでもないんだよな~。確かに見学をしたいと言ったのは俺だから、むこうからしたら余程いろいろ話を聞きたいのだと捉えられたのかもしれないけど。どっちかというと、研究所を見せながら、うちはこういうことをしてるんだ~とか、こういう雰囲気で働くのはどうよ?とか聞かれながら、少しずつ、こういう状況ではどういう問題が出ますか?とか、そういや特許に関してはどういう決まりがあるんですか?とか、いろいろ質問が出てくるものなんだよね。少しも生きた研究開発の空気に触れられなかったから、俺は意気消沈して、新幹線で東京に帰った。
ちなみに、もちろんどこの企業も研究開発に関しては、見せれるものと見せられないものがあることは分かっている。しかし、素人の俺が見ても何がなんだかわからないわけだが。デンソーだってウェブサイトで見せてる内容の研究しか見せてくれなかったしね。たとえば自動運転の研究開発なんて全く触れることもなかった。まあこちらから聞けば、少しは教えてくれたかもしれないけどね。どうせ俺は専門外だから、ふ~ん、で終わるだろうけど。
ちなみに東レは2時面接で落ちた。面接官の人と馬が合わなかったというか。まあ俺の研究内容もたいしたことないからね。けっこう専門がかぶるから、しょぼさがばれたのかもしれん。東レリサーチセンター(TRC)のほうで志望を押していれば、もしかしたら最終面接までいけたかもしれんけど。いや、まじで、分析力にはかなり自信あるんだが、化学の新素材の研究を俺がやりたいと言っても、むこうはピンとこないだろうね。仕方ない。TRCの社長さんと部長さんは、ほうほう、と興味を持って俺の話を聞いてくれていた気がする。ただ二次面接ごときで社長が出てくるところが、俺は少し気になったわけだが。やっぱり子会社だからなのか。
住友とデンソーで十分面白そうだと感じたから、日立製作所の2次面接は断った。でかい強い会社で働くならデンソーで十分だし、少し小さめで、でも楽しくやるなら住友重機械でじゅうぶんだと思ったからだ。もし日立に採用されたら、心はかなり揺れ動いただろうけれど、それは単純に日立という世界トップの会社のネームバリューに惹かれてのことだと思う。俺、そもそも電機系はそこまで興味なかったし。まあ車に興味があったわけでもないのだが。ということで住友さんに入社することに決めた。ちなみに10月から働き始める予定である。今は9月までに卒業できるように、必死に博士を終えようとしている最中である。
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